◆見てください…◆
真理が気がついたのは夕方になってのことだった。
自分の勤める高校の男子寮裏の林で、まる一日犯され続け意識を失っていたのだ。
いつのまにか、全ての拘束具が外され自由にされていた。
「私は・・・」
はっきりしない意識の中で自分が今までされていたことを振り返る。
鎖で繋がれたまま誰とも分からない男たちに犯された記憶…
声を殺して真理は泣いた。
次第に自分を取り戻した真理はよろよろと立ち上がり家へ帰ろうと歩き出したとき、自分が裸なのに気づいた。
あたりを見まわすがここへくる時に着て来た服は見当たらない。
誰かに持ち去られた様だった。
「どうしよう・・・」
精液にまみれたままの惨めな姿では帰るに帰れない。
いっそ誰かに保護を受けようかとも考えたが、あることが頭をよぎりそれはやめた。
ある事というのは、ここへ来る前にあった一本の電話。
そう…それが全ての始まりだった。
何かないかもう一度あたりを見まわすと、白衣が一着木に掛けられているのを見つけた。
それを手に取り調べてみると、白衣には「白井」という名前が書かれていた。
「これ…わたしの…」
それは真理が高校で生物の授業に出るときには必ず着ているものだった。
何故こんなところにあるのかは分からなかったが、着る物が無い以上これだけで帰るしかなかった。
だが空を見上げるとまだ日は完全に落ちておらず、紫がかった色をしていた。
ここから自分のマンションまでは5分とかからない距離だったが、薄い白衣一枚では帰る間に人目に付くのは明らかだった。
「暗くなるまで待とう…」
その場に座り込んだ真理は、自分を抱きしめるように腕を回し、白衣で自分の身体を被い、全てを世界から消し去ろうとするかのようだった。
「このまま消えて無くなってしまえばいいのに…」
身体を小さく丸め込みながら真理は呟いた…
そのとき不意に電子音の音楽が流れた。
真理ははっとして周りを見渡すが誰もいなかった。
聞き覚えのある曲は真理の携帯電話のものだった。
曲がポケットから流れているのに気づいた真理は携帯を手に取り、恐る恐る出てみた。
「も、もしもし…」
「やぁ、どうでした?教え子たちに犯された感想は。」
電気的に変えられた男の声が聞こえてきた。
「あなたは…」
その声は真理をここへ呼び出した者の声だった。
昨日の夕方、学校から帰った真理は電話を受けた。
それは、今電話の向こうにいる男からのものだった。
「白井先生こんにちは、お早いお帰りですね。さすがに結婚が決まると夜遊びも出来ませんか?ふふふふ。」
「ど、どなたですか?」
「さぁ?今はそれを知る時期ではない。」
「は?悪戯なら切りますよ!」
「悪戯ではありません、その証拠にあなたが今持ちかえった白い封筒をあけてごらんなさい。」
テーブルに目をやると白い封筒は確かに届いていた。何が入っているのか割と分厚く見える。
真理は封筒を手に取り封を切って絶句した…
そこには真理の街で歩いているところばかりか、風呂に入っているところや、部屋でオナニーしているところなど何十枚もの写真が入っていた。
そして、婚約者と学校でSEXしている写真も入っていた…
「こ、これ…」
「職場結婚だからって神聖なる学校で教師二人でSEXしちゃいけませんよ、白井セ・ン・セ・イ。ははは。」
真理の顔は見る見る赤く染まる。
写真をもう一度見なおしてみても全てに自分が写っていた。
人気の無い階段での情事の場面にも…
自分の写真だけならまだしも学校での事が知れたら、自分はもちろん婚約者まで辞めさせられるだろう。
「ど、どうしてこんな写真を…何が目的なんですか?」
「いえ、最初はあなたの写真を撮っているだけで良かったんです。どうです、全て傑作だと思いませんか?」
さも自慢自慢気に男は言った。
「お金ですか?いくら出せばいいんですか!?」
真理はどうしていいのか分からなかったが、とにかく写真を全て返してもらおうと必死だった。
「私の写真はお金などに換算できる物ではありませんよ。」
「じゃあ、どうしたら写真を処分してくれるんですか?」
「白井先生ご自身で取りに来られれば全て返してあげますよ。ただし一人で来ればですが。」
どう考えても危険だった…
しかし、断わればどうなるか分からない…
それで本当に全てを渡してくれるなら、全て解決するなら行くしかなかった。
「分かりました…何処へ行けばいいんですか?」
「先生の家の近くにある林はどうですか?先生の高校の男子寮の裏手の。」
「今から行けばいいんですか?」
「ええ、じゃあ急いで来てください。全てのネガと写真を木に吊り下げておきますから。誰に取られるか分かりませんよ。私の写真なんですから…ふふふふ。」
真理は電話を切ると急いでその場所へ向かった。
何が起こるのかも知らずに…
「写真を返してくれるんじゃなかったんですか?」
「写真?確かに木に掛けておいたんですけどね。見つかりませんでしたか?」
真理は写真を見つけようと林に入ったところを後ろからタオルで口を押さえられ、薬品を嗅がされて意識を失った。
その後気がついたときには目隠しと猿轡をされ、木に繋がれていた。見つけるどころでは無かった。
「嘘を言わないで!私をこんな目に合わせるために呼び出したくせに!」
「嘘なんて言いませんよ。確かに繋がれたあなたの横の木に掛けておいたんですから。」
「嘘よ…そんなの…嘘でしょ…?」
「いいえ、そこに無いんでしたら誰かが持っていったんでしょうね。」
真理は愕然とした。
思い出してみれば、近くで男たちがいい物見つけたとか騒いでいた声が聞こえていた。
もう終わりだ…
彼も…
そして自分も…
「どうしたんですか白井先生、泣いてるんですか?大丈夫ですよ。無くなった写真に負けないほどいい写真が取れましたから。」
「……」
「誰かも分から無い男に犯されても快感に顔をゆがませるところいい、嬉しそうな声といい先生の淫乱ぶりも素晴らしかった。」
「……」
「先生の美しいからだが、男たちの欲望で汚された様は実に良かったですよ。今までで最高の物が撮れました。」
「…汚…された…」
「そうです。汚らわしいあなたは私のモデルになるに相応しい。」
真理はその言葉を冷静に受け止めていた。
もう守る物も、失う物も無いのだと知ったから。
「でも先生、もう一枚取りたい写真があるんですよ。美しい夕日に向かってその汚れた身体を見せているところが撮りたいんです。どうです?すばらしい案でしょう。」
「はい…」
「今から先生のマンションの屋上へ行ってください。夕日が沈まないうちにね。顔が良く見える様に髪の毛は後ろに縛って下さい。いいですね?では私は準備をしておくことにしますので待ってますよ。」
そこで電話は切れた。
「汚れた身体…そう私は汚れているの…」
真理はそう言うと立ち上がりマンションへと歩き出した。
帰る途中、前から会社がえりのサラリーマンとすれ違った。
真理の姿を見て哀れんだ顔を見せたがそのまま通り過ぎていく。
「私は汚らわしいの…そんな目で見られてもしょうがない人間…」
真理はそんなサラリーマンを横目で見ながら呟く。
ふらふらとマンションに帰った真理はいったん部屋に帰り、ヘアバンドを取ると鏡の前に立った。
身体中に塗りつけられた精子はまだ湿り気を帯びて、ぬらぬらと垂れていく。
その姿を見て真理はうっすらと微笑んだ。
屋上に着いた真理は夕日に向かって白衣をはだけた。
身体中を飾った白濁が夕日に反射し輝く。
「そう…私にはこの姿が似合うの…汚い私をみんな見て……」
目の前には町並みが広がり、道路には車や人が見えた。
真理は屋上の端まで歩き金網に乳房をこすりつけた。
「はぁ…はぁ……」
身体が火照っていくのが自分でもわかる。
「私は犯されて喜ぶ女なの…今もこんなに…」
自分の股間をまさぐると男の物とは違う汁が溢れていた。
そのとき、携帯が鳴った。
「すばらしい!良い物が撮れました。さすが汚らわしい白井真理さんだ。私が目を付けただけある。想像以上ですよ。」
「あ、有難うございます…」
男から賛美の声を聞いた真理は素直にそう答えた。
「そのまま今度はそこでオナニーしてください。男の汁にまみれた格好で。そうです、もっと腰を上げて、お○んこを夕日に突き出して…そう、実にいい。」
「ああ…はぁはぁ…ん……はぁん…あっああああん…」
真理の声が暮れゆく空に消えていく…真理の意識と共に。